スティーブン・ブライヤー

スティーブン・ブライヤー
Stephen Breyer
生年月日 (1938-08-15) 1938年8月15日(85歳)
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国カルフォルニア州サンフランシスコ市
出身校 スタンフォード大学
オックスフォード大学
ハーバード・ロー・スクール
宗教 ユダヤ教

任期 1994年8月3日 - 2022年6月30日
任命者 ビル・クリントン
前任者 ハリー・ブラックマン
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スティーブン・ブライヤー英語: Stephen Breyer1938年8月15日 - )は合衆国最高裁判所の元陪席判事[1]ハーバード・ロー・スクールでは1967年から1994年までの間に教員、助教授、教授を歴任した。最高裁判所でのブライヤーはリベラルな判断をくだす傾向があった。

1994年8月にハリー・ブラックマン陪席判事が退官したことに伴いビル・クリントン大統領がブライヤーを同職へ指名した。この人事案は1994年8月のアメリカ合衆国上院の本会議において87対9の採決で承認を受け、ブライヤーは宣誓を経て就任した。

2022年1月ブライヤーが退任を予定していることが分かり、6月に退任した[2]

来歴

ブライヤーはカリフォルニア州サンフランシスコで父アービング・ブライヤーと母アンネ・ロバーツとの間に生まれた。父親はサンフランシスコ市の教育委員会で法律顧問を務めていた[3]

スタンフォード大学オックスフォード大学モードリン・カレッジを卒業し、ハーバード大学ロースクールを修了した。

ロースクール修了後の1964年ブライヤーは連邦最高裁のゴールドバーグ判事の下でロー・クラークとして働いた。1965年から1967年までは独占禁止法問題に関する司法長官の特別補佐として働いたあと1973年にはウォーターゲート事件の特別検察班の特別検察官補佐を務めた[3]

また1967年からはハーバード・ロースクールで教鞭を取り行政法を教えていた。

1980年にジミー・カーター大統領(当時)によって第1巡回区連邦控訴裁判所判事に指名され、裁判官としてのキャリアをスタート。1990年からは第1巡回区連邦控訴裁判所長官を務めた。

1994年5月13日にビル・クリントン大統領によって引退を発表したハリー・ブラックマン判事の後任に指名された。1994年8月3日のアメリカ合衆国上院の本会議において87対9の採決で承認を受け、連邦最高裁判所陪席判事に就任した。

2021年、ジョー・バイデンが大統領が就任すると、民主党内からトランプ大統領時代に増えた保守派判事に対抗するためにリベラル派判事の若返りを求める声が強まった。アレクサンドリア・オカシオ=コルテス議員など先進派の議員が公にブライヤーの退任を求めたほか、ワシントンD.C.ではロビー団体が「ブライヤーは辞任を」と書かれた車で街宣する光景もみられ、ブライヤーが自らの意思を表明する前から2022年6月頃の退任が既定路線となった[4]。2022年2月25日、バイデン大統領はブライヤーの後任として、ケタンジ・ブラウン・ジャクソン連邦高等裁判所判事を指名した[5]

判決の傾向

スカリアトーマスの「原意主義」(合衆国憲法の意味は時代にともない変化することはないという法哲学)に対抗し、憲法は時代の要請に従って柔軟に解釈すべきだとする[6]

脚注

[脚注の使い方]

出典

  1. ^ http://www.supremecourt.gov/about/biographies.aspx
  2. ^ “米最高裁のリベラル派、スティーブン・ブライヤー判事が退任へ”. CNN. CNN. (2022年1月27日). https://www.cnn.co.jp/usa/35182661.html 2024年1月4日閲覧。 
  3. ^ a b Oyez Bio. 2017年11月13日閲覧
  4. ^ “米最高裁、リベラル派判事が退任へ 後任は黒人女性か”. BBC (2022年1月27日). 2022年1月28日閲覧。
  5. ^ “米最高裁初の黒人女性判事、バイデン氏が指名”. AFP (2022年2月26日). 2022年2月26日閲覧。
  6. ^ 大林啓吾、溜箭将之『ロバーツコートの立憲主義』成文堂、2017年、54頁。ISBN 978-4-7923-0604-5。 

内部リンク

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裁判
現在の判事
退官した判事
関連項目
 
  1. ジョン・ジェイ (1789–1795(英語版)判例(英語版))
  2. ジョン・ラトリッジ (1795(英語版)判例(英語版))
  3. オリバー・エルスワース (1796–1800(英語版)判例(英語版))
  4. ジョン・マーシャル (1801–1835(英語版)判例(英語版))
  5. ロジャー・B・トーニー (1836–1864(英語版)判例(英語版))
  6. サーモン・P・チェイス (1864–1873(英語版)判例(英語版))
  7. モリソン・ワイト(英語版) (1874–1888(英語版)判例(英語版))
  8. メルヴィル・フラー(英語版) (1888–1910(英語版)判例(英語版))
  9. エドワード・ダグラス・ホワイト (1910–1921(英語版)判例(英語版))
  10. ウィリアム・ハワード・タフト (1921–1930(英語版)判例(英語版))
  11. チャールズ・エヴァンズ・ヒューズ (1930–1941(英語版)判例(英語版))
  12. ハーラン・F・ストーン (1941–1946(英語版)判例(英語版))
  13. フレッド・M・ヴィンソン (1946–1953(英語版)判例(英語版))
  14. アール・ウォーレン (1953–1969(英語版)判例(英語版))
  15. ウォーレン・E・バーガー(英語版) (1969–1986(英語版)判例(英語版))
  16. ウィリアム・レンキスト (1986–2005(英語版)判例(英語版))
  17. ジョン・ロバーツ (2005–現職判例(英語版))
 
  1. J・ラトリッジ* (1790–1791)
  2. クッシング (1790–1810)
  3. ウィルソン (1789–1798)
  4. ブレア (1790–1795)
  5. アイアデル (1790–1799)
  6. T・ジョンソン (1792–1793)
  7. パターソン (1793–1806)
  8. S・チェイス (1796–1811)
  9. ワシントン(英語版) (1798–1829)
  10. ムーア(英語版) (1800–1804)
  11. W・ジョンソン(英語版) (1804–1834)
  12. リビングストン (1807–1823)
  13. トッド(英語版) (1807–1826)
  14. デュバル(英語版) (1811–1835)
  15. ストーリー(英語版) (1812–1845)
  16. トンプソン (1823–1843)
  17. トリンブル(英語版) (1826–1828)
  18. マクレーン (1829–1861)
  19. ボールドウィン(英語版) (1830–1844)
  20. ウェイン(英語版) (1835–1867)
  21. バーバー(英語版) (1836–1841)
  22. カトロン(英語版) (1837–1865)
  23. マッキンレー(英語版) (1838–1852)
  24. ダニエル(英語版) (1842–1860)
  25. ネルソン(英語版) (1845–1872)
  26. ウッドベリー (1845–1851)
  27. グリア(英語版) (1846–1870)
  28. カーティス(英語版) (1851–1857)
  29. キャンベル(英語版) (1853–1861)
  30. クリフォード (1858–1881)
  31. スウェイン(英語版) (1862–1881)
  32. ミラー(英語版) (1862–1890)
  33. デイヴィス(英語版) (1862–1877)
  34. フィールド(英語版) (1863–1897)
  35. ストロング(英語版) (1870–1880)
  36. ブラッドリー(英語版) (1870–1892)
  37. ハント(英語版) (1873–1882)
  38. J・M・ハーラン(英語版) (1877–1911)
  39. ウッズ(英語版) (1881–1887)
  40. マシューズ(英語版) (1881–1889)
  41. グレイ(英語版) (1882–1902)
  42. ブラッチフォード(英語版) (1882–1893)
  43. L・ラマー(英語版) (1888–1893)
  44. ブルーワー(英語版) (1890–1910)
  45. ブラウン(英語版) (1891–1906)
  46. シラス(英語版) (1892–1903)
  47. H・ジャクソン(英語版) (1893–1895)
  48. E・ホワイト* (1894–1910)
  49. ペッカム(英語版) (1896–1909)
  50. マッケナ(英語版) (1898–1925)
  51. ホームズ (1902–1932)
  52. デイ (1903–1922)
  53. ムーディ (1906–1910)
  54. ラートン(英語版) (1910–1914)
  55. ヒューズ* (1910–1916)
  56. ヴァン・ドヴァンター(英語版) (1911–1937)
  57. J・ラマー(英語版) (1911–1916)
  58. ピツニー(英語版) (1912–1922)
  59. マクレイノルズ(英語版) (1914–1941)
  60. ブランダイス (1916–1939)
  61. クラーク(英語版) (1916–1922)
  62. サザーランド(英語版) (1922–1938)
  63. バトラー(英語版) (1923–1939)
  64. サンフォード(英語版) (1923–1930)
  65. ストーン* (1925–1941)
  66. O・ロバーツ(英語版) (1930–1945)
  67. カードーゾ (1932–1938)
  68. ブラック (1937–1971)
  69. リード(英語版) (1938–1957)
  70. フランクファーター (1939–1962)
  71. ダグラス(英語版) (1939–1975)
  72. マーフィー(英語版) (1940–1949)
  73. バーンズ (1941–1942)
  74. R・ジャクソン (1941–1954)
  75. W・ラトリッジ(英語版) (1943–1949)
  76. バートン(英語版) (1945–1958)
  77. クラーク(英語版) (1949–1967)
  78. ミントン(英語版) (1949–1956)
  79. J・M・ハーラン2世(英語版) (1955–1971)
  80. ブレナン (1956–1990)
  81. ウィテカー(英語版) (1957–1962)
  82. スチュワート(英語版) (1958–1981)
  83. B・ホワイト (1962–1993)
  84. ゴールドバーグ(英語版) (1962–1965)
  85. フォータス(英語版) (1965–1969)
  86. T・マーシャル (1967–1991)
  87. ブラックマン (1970–1994)
  88. パウエル(英語版) (1972–1987)
  89. レンキスト* (1972–1986)
  90. スティーブンス (1975–2010)
  91. オコナー (1981–2006)
  92. スカリア (1986–2016)
  93. ケネディ (1988–2018)
  94. スーター (1990–2009)
  95. トーマス (1991–現職)
  96. ギンズバーグ (1993–2020)
  97. ブライヤー (1994–2022)
  98. アリート (2006–現職)
  99. ソトマイヨール (2009–現職)
  100. ケイガン (2010–現職)
  101. ゴーサッチ (2017–現職)
  102. カバノー (2018–現職)
  103. バレット (2020–現職)
  104. K・ジャクソン (2022–現職)
*首席判事も務めた人物
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