1983年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)のポストシーズンは10月4日に開幕した。ナショナルリーグの第15回リーグチャンピオンシップシリーズ(15th National League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、同日から8日にかけて計4試合が開催された。その結果、フィラデルフィア・フィリーズ(東地区)がロサンゼルス・ドジャース(西地区)を3勝1敗で下し、3年ぶり4回目のリーグ優勝およびワールドシリーズ進出を果たした。
両球団がリーグ優勝決定戦で対戦するのは、1977年と1978年に次いで5年ぶり3度目で、過去2度はいずれもドジャースが制している。また、この年のレギュラーシーズンでは両球団は12試合対戦し、ドジャースが11勝1敗と勝ち越していた[1]。その12試合の内容も一方的で、ドジャース11勝のうち5勝が零封で3勝が1失点、総得点はフィリーズの15点に対しドジャースは49点だった[2]。しかし今シリーズは、フィリーズが下馬評を覆して制した。フィリーズは、1950年のリーグ優勝時は若手選手が多く "Whiz Kids"(「神童」)との異名をとったのに対し、今回の優勝時は高齢のベテラン選手が多く "Wheeze Kids"(「息切れ坊や」)と呼ばれた[3]。シリーズMVPには、優勝を決めた第4戦で先制・決勝の3点本塁打を放つなど、4試合で打率.429・3本塁打・8打点・OPS 1.571という成績を残したフィリーズのゲイリー・マシューズが選出された。しかしフィリーズは、ワールドシリーズではアメリカンリーグ王者ボルチモア・オリオールズに1勝4敗で敗れ、3年ぶり2度目の優勝を逃した。
試合結果
1983年のナショナルリーグ優勝決定戦は10月4日に開幕し、途中に移動日を挟んで5日間で4試合が行われた。日程・結果は以下の通り。
日付 | 試合 | ビジター球団(先攻) | スコア | ホーム球団(後攻) | 開催球場 |
10月04日(火) | 第1戦 | フィラデルフィア・フィリーズ | 1-0 | ロサンゼルス・ドジャース | ドジャー・スタジアム | |
10月05日(水) | 第2戦 | フィラデルフィア・フィリーズ | 1-4 | ロサンゼルス・ドジャース |
10月06日(木) | | 移動日 | |
10月07日(金) | 第3戦 | ロサンゼルス・ドジャース | 2-7 | フィラデルフィア・フィリーズ | ベテランズ・スタジアム |
10月08日(土) | 第4戦 | ロサンゼルス・ドジャース | 2-7 | フィラデルフィア・フィリーズ |
優勝:フィラデルフィア・フィリーズ(3勝1敗 / 3年ぶり4度目) |
第1戦 10月4日
映像外部リンク |
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MLB.comによる動画(英語) |
初回表、マイク・シュミットのソロ本塁打でフィリーズが先制(45秒) |
初回裏、フィリーズ先発投手スティーブ・カールトンが一塁走者スティーブ・サックスを牽制でアウトに仕留める(51秒) |
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
フィラデルフィア・フィリーズ | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 5 | 1 |
ロサンゼルス・ドジャース | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 7 | 0 |
- 勝利:スティーブ・カールトン(1勝)
- セーブ:アル・ホランド(1S)
- 敗戦:ジェリー・ロイス(1敗)
- 本塁打
PHI:マイク・シュミット1号ソロ
- 審判
[球審]テリー・テイタ
[塁審]一塁: ディック・ステーロ、二塁: ジョン・マクシェリー、三塁: リー・ウェイヤー
[外審]左翼: ダグ・ハーヴェイ、右翼: ジェリー・クロフォード - 昼間試合 試合時間: 2時間17分 観客: 4万9963人
詳細: Baseball-Reference.com
第2戦 10月5日
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
フィラデルフィア・フィリーズ | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 7 | 2 |
ロサンゼルス・ドジャース | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | X | 4 | 6 | 1 |
- 勝利:フェルナンド・バレンズエラ(1勝)
- セーブ:トム・ニーデンフューアー(1S)
- 敗戦:ジョン・デニー(1敗)
- 本塁打
PHI:ゲイリー・マシューズ1号ソロ
- 審判
[球審]ディック・ステーロ
[塁審]一塁: ジョン・マクシェリー、二塁: リー・ウェイヤー、三塁: ダグ・ハーヴェイ
[外審]左翼: ジェリー・クロフォード、右翼: テリー・テイタ - 昼間試合 試合時間: 2時間44分 観客: 5万5967人
詳細: Baseball-Reference.com
第3戦 10月7日
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
ロサンゼルス・ドジャース | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 4 | 0 |
フィラデルフィア・フィリーズ | 0 | 2 | 1 | 1 | 2 | 0 | 1 | 0 | X | 7 | 9 | 1 |
- 勝利:チャールズ・ハドソン(1勝)
- 敗戦:ボブ・ウェルチ(1敗)
- 本塁打
LAD:マイク・マーシャル1号2ラン
PHI:ゲイリー・マシューズ2号ソロ - 審判
[球審]ジョン・マクシェリー
[塁審]一塁: リー・ウェイヤー、二塁: ダグ・ハーヴェイ、三塁: ジェリー・クロフォード
[外審]左翼: テリー・テイタ、右翼: ディック・ステーロ - 昼間試合 試合時間: 2時間51分 観客: 5万3490人
詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ ロサンゼルス・ドジャース | フィラデルフィア・フィリーズ |
打順 | 守備 | 選手 | 打席 | | 打順 | 守備 | 選手 | 打席 | |
1 | 二 | S・サックス | 右 | 1 | 二 | J・モーガン | 左 |
2 | 一 | G・ブロック | 左 | 2 | 一 | P・ローズ | 両 |
3 | 左 | D・ベイカー | 右 | 3 | 三 | M・シュミット | 右 |
4 | 三 | P・ゲレーロ | 右 | 4 | 右 | J・ラフィーバー | 左 |
5 | 中 | K・ランドロー | 左 | 5 | 左 | G・マシューズ | 右 |
6 | 右 | M・マーシャル | 右 | 6 | 中 | G・グロス | 左 |
7 | 遊 | B・ラッセル | 右 | 7 | 捕 | B・ディアス | 右 |
8 | 捕 | J・フィンプル | 右 | 8 | 遊 | I・デヘスース | 右 |
9 | 投 | B・ウェルチ | 右 | 9 | 投 | C・ハドソン | 両 |
先発投手 | 投球 | 先発投手 | 投球 |
B・ウェルチ | 右 | C・ハドソン | 右 |
第4戦 10月8日
映像外部リンク |
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MLB.comによる動画(英語) |
初回裏、ゲイリー・マシューズの3点本塁打でフィリーズが先制(1分23秒) |
9回表、アル・ホランドがビル・ラッセルを空振り三振に仕留めて試合終了、フィリーズのリーグ優勝が決定(1分31秒) |
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
ロサンゼルス・ドジャース | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 | 10 | 0 |
フィラデルフィア・フィリーズ | 3 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0 | 0 | X | 7 | 13 | 1 |
- 勝利:スティーブ・カールトン(2勝)
- 敗戦:ジェリー・ロイス(2敗)
- 本塁打
LAD:ダスティ・ベイカー1号ソロ
PHI:ゲイリー・マシューズ3号3ラン、シクスト・レスカーノ1号2ラン - 審判
[球審]リー・ウェイヤー
[塁審]一塁: ダグ・ハーヴェイ、二塁: ジェリー・クロフォード、三塁: テリー・テイタ
[外審]左翼: ディック・ステーロ、右翼: ジョン・マクシェリー - 夜間試合 試合時間: 2時間50分 観客: 6万4494人
詳細: Baseball-Reference.com
脚注
- ^ "1983 Los Angeles Dodgers Schedule," Baseball-Reference.com. 2021年2月20日閲覧。
- ^ Murray Chass, "A FAN'S GUIDE; CRYSTAL BALLS AND STRIKES," The New York Times, September 29, 1985. 2021年2月20日閲覧。
- ^ Stan Hochman, Daily News Columnist, "Wheeze Kids tapped fountain of youth in 1983," Inquirer.com, June 25, 2013. 2021年2月20日閲覧。
外部リンク
- Baseball-Reference.com(英語)
- 1983 National League Championship Series - IMDb(英語)
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球団 | |
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歴代本拠地 | |
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文化 | |
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永久欠番 | |
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フィリーズ球団殿堂 | |
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ワールドシリーズ優勝(2回) | |
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ワールドシリーズ敗退(6回) | |
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リーグ優勝(8回) | |
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傘下マイナーチーム | |
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ロサンゼルス・ドジャース |
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球団 | |
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歴代本拠地 | |
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文化 | |
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永久欠番 | |
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ワールドシリーズ優勝(07回) | |
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ワールドシリーズ敗退(14回) | |
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リーグ優勝(24回) | |
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