犬飼裕一

犬飼 裕一(いぬかい ゆういち、1968年[1] - )は、日本の社会学者歴史社会学者日本大学教授。元北海学園大学教授。愛知県北名古屋市出身。マックス・ウェーバーゲオルク・ジンメル和辻哲郎の研究に出発し、歴史社会学、社会学理論、日本人論日本文化論に研究領域を拡大する[1]自己言及性をキーワードにデカルトカント以来の哲学や社会思想、そして社会学理論の問題点を突いた著書『方法論的個人主義の行方』を刊行。近年は「社会」をめぐる語りの問題に注目して、社会修辞学の構想に注力している。

また哲学者カール・ポパーの三世界論から着想を得て「世界3としての社会」という問題に取り組んでいる。特に、人工知能(AI)が社会に与える影響についてこの視角からアプローチすることを続けている。

学歴

職歴

  • 1997年 中京大学教養部非常勤講師
  • 2003年 北海学園大学経済学部助教授
  • 2007年 北海学園大学経済学部准教授
  • 2009年 北海学園大学経済学部教授
  • 2017年 日本大学文理学部社会学科教授

受賞歴

  • 『マックス・ウェーバーにおける歴史科学の展開』で、2008年度日本社会学史学会奨励賞を受賞[1]

著書

  • 『ゲオルク・ジンメルと社会学』(共著、世界思想社、2001年)ISBN 4790708799
  • 『マックス・ウェーバーにおける歴史科学の展開』(ミネルヴァ書房、2007年)ISBN 4623048918
  • 『マックス・ウェーバー: 普遍史と歴史社会学』(梓出版社、2009年)ISBN 4872622251
  • 『方法論的個人主義の行方: 自己言及社会』(勁草書房、2011年)ISBN 4326653574
  • 『和辻哲郎の社会学』(八千代出版、2016年)ISBN 4842916672
  • 『歴史にこだわる社会学』(八千代出版、2018年)ISBN 4842917334
  • 『世間体国家・日本~その構造と呪縛』(光文社新書、2021年)ISBN 9784334045579

論文

  • 「コミュニケーション研究のヨーロッパ種とアメリカ種 上 : マートン知識社会学の研究」『北海学園大学学園論集』 133号 p.A1-A18 2007年, 北海学園大学学術研究会, NCID AN10340239
  • 「コミュニケーション研究のヨーロッパ種とアメリカ種 中 : マートン知識社会学の研究」『北海学園大学学園論集』 134号 p.A1-A18 2007年, 北海学園大学学術研究会, NCID AN10340239
  • 「コミュニケーション研究のヨーロッパ種とアメリカ種 下 : マートン知識社会学の研究」『北海学園大学学園論集』 135号 p.A1-A26 2008年, 北海学園大学学術研究会, NCID AN10340239
  • 「『大衆』の居場所 オルテガ『大衆の反逆』を読む[含 受講生レポート]」『北海学園大学学園論集』 148号 p.(1)-(20) 2011年
  • 「ハマータウンの語り方 : ポール・ウィリス『ハマータウンの野郎ども』をめぐる社会修辞学の試み」『北海学園大学 学園論集』 156号 p.(1)-(17) 2013年
  • 「洞察力と社会学 : ランドル・コリンズを読む」『北海学園大学学園論集』第160号 2014年
  • 「構築される科学、示唆する科学――科学が語りうることと、示唆すること」『現代社会学理論研究』 9巻 2015年 p.14-27, 日本社会学理論学会, doi:10.34327/sstj.9.0_14
  • 「マルクス・ウェーバー再考」『北海学園大学経済論集』第63巻 第4号 2016年
  • 「宮本常一の社会『忘れられた日本人』を読む : 相互関係のなかの人と人,社会修辞学試論」『北海学園大学経済論集』 第64巻 第3号 2016年
  • おのずから生ずる秩序の語り方 : フリードリヒ・ハイエクと社会学理論,そして社会修辞学 (PDF) 」『研究紀要』(日本大学文理学部人文科学研究所)第96号2018年
  • 「社会にとって歴史とは何か? ―E・H・カー『歴史とは何か』を社会学理論から読む― 」『研究紀要』(日本大学文理学部人文科学研究所)第98号2019年
  • 「自己言及性の歴史知と社会学――――E・H・カー『歴史とは何か』を社会学理論から読む2」『研究紀要』(日本大学文理学部人文科学研究所)第99号2020年
  • 世界3と社会学――カール・R・ポパーと新しい社会像の可能性―― (PDF) 」『社会学論叢』 第196号 2019年

脚注

  1. ^ a b c “犬飼裕一”. www.keisoshobo.co.jp. 勁草書房. 2022年8月20日閲覧。
  2. ^ 「マックス・ウェーバーにおける歴史科学の展開」 博士論文 甲第1325号, 1999年 早稲田大学, NAID 500000173604


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