五フッ化ヒ素

五フッ化ヒ素
arsenic pentafluoride

五フッ化ヒ素

別称
フッ化ヒ素(V)
識別情報
CAS登録番号 7784-36-3 チェック
PubChem 82223
特性
化学式 AsF5
モル質量 169.9136 g mol-1
外観 無色の気体
密度 2.138 g cm-3[1]
融点

-79.8 ℃[1]

沸点

-52.8 ℃[1]

アルコール、エーテル、ベンゼンへの溶解度 可溶
危険性
EU分類 毒性 (T)
環境への危険性 (N)
NFPA 704
0
4
1
Rフレーズ R23/25, R50/53
Sフレーズ (S1/2), S20/21, S28, S45, S60, S61
関連する物質
その他の陰イオン 五酸化ヒ素, 五塩化ヒ素
関連物質 三フッ化ヒ素
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

五フッ化ヒ素(ごフッかヒそ、: arsenic pentafluoride)は化学式AsF5で表される無機化合物ヒ素フッ化物であり、ヒ素の酸化数は5。

合成

ヒ素とフッ素との直接反応[2]および三フッ化ヒ素にフッ素を加えて生成する。

2 As   + 5 F 2 2 AsF 5 {\displaystyle {\ce {2As\ + 5F2 -> 2AsF5}}}
AsF 3   + F 2 AsF 5 {\displaystyle {\ce {AsF3\ + F2 -> AsF5}}}

または、三塩化ヒ素フッ化水素塩素を加えて生成することもできる[3]

AsCl 3   + 5 HF   + Cl 2 AsF 5   + 5 HCl {\displaystyle {\ce {AsCl3\ + 5HF\ + Cl2 -> AsF5\ + 5HCl}}}

性質

無色の気体であり、分子構造三方両錐形である[2]。 固体の状態では、ヒ素とフッ素の間の結合距離は軸方向で171.9pm、赤道方向で166.8 pmとなっている[2]

反応

強力な電子受容体であり、四フッ化硫黄との反応によりイオン結合型錯体を形成する[4]

AsF 5   + SF 4 SF 3 +   + AsF 6 {\displaystyle {\ce {AsF5\ + SF4 -> SF3^+\ + AsF6^-}}}

安全性

日本の毒物及び劇物取締法では毒物に該当し、発癌性に対する刺激性がある[5]。販売には第一種高圧ガス販売主任者の資格が必要となる。

脚注

  1. ^ a b c Record 労働安全衛生研究所(IFA)(英語版)発行のGESTIS物質データベース, accessed on 2007年12月24日閲覧
  2. ^ a b c グリーンウッド, ノーマン; アーンショウ, アラン (1997). Chemistry of the Elements (英語) (2nd ed.). バターワース=ハイネマン(英語版). ISBN 978-0-08-037941-8
  3. ^ 五フッ化リン及び五フッ化ヒ素の製法 特開平10-53406 (j-platpat)
  4. ^ フッ化水素中における、固体または溶液の四フッ化硫黄と三フッ化ホウ素、五フッ化リン、五フッ化ヒ素、五フッ化アンチモンの構造の調査結果 M. Azeem, M. Brownstein, and R. J. Gillespie Can. J. Chem. 47(22): 4159–4167 (1969), doi:10.1139/v69-689
  5. ^ 安全衛生情報センター
  • AsBr3
  • AsCl3
  • AsF3
  • AsF5
  • AsH3
  • AsI3
  • As2O3
  • As2O5
  • As2S3
  • As2S5
  • As4S4
  • As2Se3
  • As2Se5
  • H3AsO3
  • H3AsO4
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