ロングライフ牛乳

常温保存専用のボトルで販売されているようす

ロングライフ牛乳(ロングライフぎゅうにゅう)とは、牛乳UHT法で殺菌することで生産される牛乳。気密性の高いアルミコーティング紙パックやプラスチック容器などに無菌的に充填包装することで、未開封の状態で3か月程度、常温保存することが可能である[1][2]

概要

一般的な牛乳は、開封前、開封後とも10℃以下で冷蔵する必要がある。一方でロングライフ牛乳(常温保存可能品)は、冷蔵での保管は勿論、未開封の状態では60日間の常温保存が可能である。常温とは、「夏期において外気温を超えない温度」と定められている。なお、開封後は普通の牛乳と同様に、10℃以下に冷蔵して、早めに消費する必要がある。要冷蔵の牛乳と栄養には差がない。保存料などの添加物は一切使われていない[3]

文化

ロングライフ牛乳は主にヨーロッパで広く普及している。フランススペインポルトガルなどで消費されている牛乳はほとんどがロングライフ牛乳である。またドイツスイスイタリアなどでは半分ほどが、消費される牛乳のうちロングライフ牛乳が占める[要出典]

日本では1970年代に大手の牛乳メーカーが開発に乗り出したが、様々な側面から消費者団体による反対運動が起こり普及することはなかった[4]。あまり見かけることができない[1]が、奄美群島の学校給食で提供されていた[5]熊本県らくのうマザーズの生乳100%を使用した成分無調整牛乳は日本でも数少ないロングライフ牛乳である[6]

東日本大震災以降、災害備蓄品や被災地への救援物資としてロングライフ食品への関心が高まり、ロングライフ牛乳を始めとしたロングライフ食品を開発・製造する企業が増えてきている[7]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b “常温で3ヶ月保存可能な、阿蘇のおいしい牛乳”. 価格.com. 2017年11月16日閲覧。
  2. ^ “「明治特選北海道牛乳(常温保存可能品)」が長く持つ理由を教えてください。”. 明治. 2022年2月10日閲覧。
  3. ^ “「常温保存可能品」と表示された牛乳(ロングライフ牛乳)が、冷蔵庫に入れなくても日持ちするのはなぜですか? | 乳と乳製品のQ&A | 一般社団法人日本乳業協会”. nyukyou.jp. 2022年2月10日閲覧。
  4. ^ “【第15話】反対から創造へ《牛乳編》”. 大地を守る会 (2015年). 2023年10月18日閲覧。
  5. ^ nakagawa. “喜界町「防災食育センター落成」完成、落成式 – 奄美新聞”. 2022年8月1日閲覧。
  6. ^ 大阿蘇牛乳 1000ml - 牛乳類|商品情報|らくのうマザーズ 2017年11月16日閲覧。
  7. ^ ロングライフ食品 | はやり言葉辞典 2017年11月25日閲覧。

関連項目