ドルチェモア

ドルチェモア
2022年朝日杯フューチュリティステークス
欧字表記 Dolce More[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 2020年2月21日(4歳)[1]
ルーラーシップ[1]
アユサン[1]
母の父 ディープインパクト[1]
生国 日本の旗 日本北海道日高町)[2]
生産者 下河辺牧場[1]
馬主 (株)スリーエイチレーシング[1]
調教師 須貝尚介栗東
→上原佑紀(美浦[3]
高橋一哉(栗東)[1]
競走成績
タイトル JRA賞最優秀2歳牡馬(2022年)[1]
生涯成績 11戦3勝[1]
獲得賞金 1億1154万円[1]
(2024年3月30日現在)
勝ち鞍
GI 朝日杯FS 2022年
GIII サウジアラビアRC 2022年
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ドルチェモア(欧字名:Dolce More2020年2月21日 - )は、日本競走馬[1]。主な勝ち鞍は2022年朝日杯フューチュリティステークスサウジアラビアロイヤルカップ

馬名の意味は、甘い(イタリア語)+もっと[4]2022年JRA賞最優秀2歳牡馬である。

戦績

父はクイーンエリザベス2世カップ (香港)を制したルーラーシップ、母は2013年の桜花賞を制したアユサンである。

2歳(2022年)

8月20日に札幌競馬場で行われた2歳新馬戦でデビュー。鞍上に横山和生を迎えて1番人気に推された。レースではスタートを決めて先手を取り、そのまま危なげなく逃げ切り4番人気ランフリーバンクスに3馬身差をつけ優勝した[5]

続いて10月8日東京競馬場で行われたGIIIサウジアラビアロイヤルカップに出走[6]。これを控えた追い切りでは、府中牝馬ステークスの2週間前追い切りを行う同厩舎のGI競走3勝馬ソダシの調教パートナーを務めることとなり、ドルチェモアが1馬身半追走[注 1]したところから併入まで持ち込んだ[7]。新馬戦を完勝した父モーリスと母チェッキーノの良血馬ノッキングポイントが単勝1.4倍の支持を集める中、本馬が2番人気に推された[8]。競走では、確たる逃げ馬不在の少頭数戦から7番人気グラニットが大逃げを打つ展開となった[6][8]。本馬は、グラニットから離れた2番手で競走を進め、直線を迎えるとグラニットを強襲[8]。上がり3ハロン33秒4の末脚を繰り出して逃げ粘る同馬をゴール前でを交わし、これに1馬身1/4差をつけ優勝[6][8]。2連勝で重賞初制覇を果たした[8]須貝尚介調教師は2020年のステラヴェローチェに続く同競走2勝目[6]。須貝は、3着以下を離して入線し、最後まで脚を伸ばしていたこと、また、東京の芝1600メートルの重賞を勝利したことを評価した[注 2][7]

次走のGI朝日杯フューチュリティステークス (FS, 阪神芝外1,600m)では好意のインに控え、残り200mを切って先頭に立ち、外から来るダノンタッチダウン、レイベリングを振り切って優勝。これによりデビューから無敗の3連勝でG1制覇を達成、また桜花賞の勝ち馬である母アユサンとの母子G1制覇を達成した。[9]

3歳(2023年)

2023年の初戦は、2023年5月7日に東京競馬場で行われるNHKマイルカップに向かうことが、2023年1月30日に『2022年度JRA賞授賞式』で馬主のスリーエイチレーシングから明らかにされた[10]。しかしその後、予定を変更して4月8日に中山競馬場で開催されるニュージーランドトロフィーに出走。単勝1.7倍の圧倒的1番人気に支持されたレースは好スタートを決めて楽にハナに立ったものの、直線でズルズルと後退しまさかの7着に沈んだ。鞍上の横山和生は「ゲート裏の雰囲気だったり、ゲート入りを渋ったりしていたので、休み明けのぶんか、気持ちの面が違いました。馬なりでゲートを出てしまったので、あれ以上下げることはできませんでした。それにしても負けすぎですが、休み明けを使って良くなりそうな雰囲気はあった。とはいえ人気を背負っていたので、今日は結果を出せず申し訳ありませんでした」と語った[11]。以降も調子を取り戻せず、4番人気に支持されたNHKマイルカップは期待を裏切る12着に惨敗。6月4日の安田記念は最下位18着、距離短縮で挑んだ秋のセントウルステークススプリンターズステークスも共に二桁順位に沈んだ。

その後、環境を変えるために10月18日付で美浦の上原佑紀厩舎に転厩した[3]

競走成績

以下の内容は、netkeiba.com[12]およびJBISサーチ[13]の情報に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2022.08.20 札幌 2歳新馬 芝1500m(稍) 12 5 6 003.90(1人) 01着 R1:32.2(35.6) -0.5 0横山和生 54 (ランフリーバンクス) 480
0000.10.08 東京 サウジアラビアRC GIII 芝1600m(良) 9 7 7 006.80(2人) 01着 R1:33.4(33.4) -0.2 0横山和生 55 (グラニット) 472
0000.12.18 阪神 朝日杯FS GI 芝1600m(良) 17 1 2 003.10(1人) 01着 R1:33.9(35.8) -0.1 0坂井瑠星 55 (ダノンタッチダウン) 474
2023.04.08 中山 NZT GII 芝1600m(稍) 16 4 8 001.70(1人) 07着 R1:34.3(36.6) -0.6 0横山和生 56 エエヤン 482
0000.05.07 東京 NHKマイルC GI 芝1600m(稍) 17 7 13 007.60(4人) 12着 R1:34.9(35.9) -1.1 0三浦皇成 57 シャンパンカラー 476
0000.06.04 東京 安田記念 GI 芝1600m(良) 18 4 8 166.9(17人) 18着 R1.34.3(36.1) -2.9 0坂井瑠星 54 ソングライン 474
0000.09.10 阪神 セントウルS GII 芝1200m(良) 15 3 4 027.20(8人) 13着 R1:08.3(33.6) -1.1 0池添謙一 55 テイエムスパーダ 474
0000.10.01 中山 スプリンターズS GI 芝1200m(良) 16 6 12 149.8(16人) 12着 R1:09.0(34.8) -1.0 0西村淳也 56 ママコチャ 478
0000.12.09 中京 中日新聞杯 GIII 芝2000m(良) 17 2 3 034.7(12人) 17着 R2:00.3(35.5) -1.5 0団野大成 57 ヤマニンサルバム 476
2024.01.06 京都 京都金杯 GIII 芝1600m(良) 18 8 16 125.9(16人) 18着 R1:35.7(39.0) -1.9 0団野大成 56 コレペティトール 474
0000.02.04 東京 東京新聞杯 GIII 芝1600m(良) 16 2 3 190.5(16人) 13着 R1:33.5(33.6) -1.4 0石橋脩 57 サクラトゥジュール 478
0000.03.30 中山 ダービー卿CT GIII 芝1600m(稍) 16 8 16 127.5(16人) 14着 01:34.3(34.3) -1.4 0内田博幸 56 パラレルヴィジョン 474
  • 競走成績は2024年3月30日現在

血統表

ドルチェモア血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 キングマンボ系
[§ 2]

ルーラーシップ
鹿毛 2007 北海道安平町
父の父
キングカメハメハ
鹿毛 2001
Kingmambo Mr. Prospector
Miesque
*マンファス *ラストタイクーン
Pilot Bird
父の母
エアグルーヴ
鹿毛 1993
*トニービン *カンパラ
Severn Bridge
ダイナカール *ノーザンテースト
シャダイフェザー

アユサン
鹿毛 2010 北海道日高町
ディープインパクト
鹿毛 2002
*サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
*ウインドインハーヘア Alzao
Burghclere
母の母
*バイザキャット
栗毛 1995
Storm Cat Storm Bird
Terlingua
Buy the Firm Affirmed
By the Hand
母系(F-No.) バイザキャット(USA)系(FN:9-f) [§ 3]
5代内の近親交配 Northern Dancer 5×5 [§ 4]
出典
  1. ^ JBISサーチ[14]およびnetkeiba.com[15]
  2. ^ [16]
  3. ^ JBISサーチ[14]およびnetkeiba.com[15]
  4. ^ JBISサーチ[14]およびnetkeiba.com[15]


脚注

参考文献

注釈

  1. ^ 併走追いでは、通常、格上馬が格下馬を追走する場合が多い[7]
  2. ^ 日刊スポーツの岡本光男によれば、このコースは、2歳馬にとっては厳しい舞台であるとされる[7]。2020年の同競走を勝ったステラヴェローチェは、その翌年の皐月賞と東京優駿で3着に好走[7]。また、これと同じコースで施行される2020年のアルテミスステークスを勝ったソダシは、続いて阪神ジュベナイルフィリーズ桜花賞を勝利した[7]

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o “ドルチェモア”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年5月7日閲覧。
  2. ^ “ドルチェモア”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2023年5月7日閲覧。
  3. ^ a b 「【注目馬動向】G1馬ドルチェモアが美浦・上原佑厩舎に転厩」『スポーツ報知』、2023年10月19日。2023年10月19日閲覧。
  4. ^ “競走馬情報 - ドルチェモア”. 日本中央競馬会. 2023年5月7日閲覧。
  5. ^ 「【札幌5R新馬戦結果】アユサンの仔ドルチェモアが危なげなく逃げ切る」『netkeiba.com』株式会社ネットドリーマーズ、2022年8月20日。2022年10月8日閲覧。
  6. ^ a b c d 『優駿 Book in Book』2022年12月号、5頁。
  7. ^ a b c d e f 『優駿』2022年12月号、106頁。
  8. ^ a b c d e 『優駿 Book in Book』2022年12月号、6頁。
  9. ^ 「【朝日杯FS結果】ドルチェモアが人気3頭の接戦を制し無傷3連勝」『netkeiba.com』、2022年12月18日。2023年1月6日閲覧。
  10. ^ 「最優秀2歳牡馬ドルチェモアはNHKマイル直行へ」『netkeiba.com』、2023年1月30日。2023年2月5日閲覧。
  11. ^ 「【ニュージーランドT】無敗の2歳王者ドルチェモア、まさかの7着 横山和生騎手「気持ちの面が違いました」」『スポーツ報知』、2023年4月8日。2023年10月21日閲覧。
  12. ^ “ドルチェモアの競走成績”. netkeiba.com. Net Dreamers Co., Ltd.. 2023年5月7日閲覧。
  13. ^ “ドルチェモア 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年5月7日閲覧。
  14. ^ a b c “血統情報:5代血統表|ドルチェモア”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年10月9日閲覧。
  15. ^ a b c “ドルチェモアの血統表 | 競走馬データ”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2022年10月9日閲覧。
  16. ^ “ドルチェモア - 競走馬詳細 - UMATOKU”. 馬トク. 報知新聞社. 2022年10月10日閲覧。

外部リンク

  • 競走馬成績と情報 netkeiba、スポーツナビ、JBISサーチ
朝日杯3歳ステークス
1940年代

第1回 アヅマホマレ

1950年代

第2回 トキノミノル / 第3回 タカハタ / 第4回 サンゲツ / 第5回 タカオー / 第6回 メイヂヒカリ / 第7回 キタノオー / 第8回 キタノヒカリ / 第9回 カツラシユウホウ / 第10回 ウネビヒカリ / 第11回 マツカゼオー

1960年代

第12回 ハクシヨウ / 第13回 カネツセーキ / 第14回 グレートヨルカ / 第15回 ウメノチカラ / 第16回 リユウゲキ / 第17回 メジロボサツ / 第18回 モンタサン / 第19回 タケシバオー / 第20回 ミノル / 第21回 アローエクスプレス

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2000年代
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(旧)最優秀3歳牡馬
1950年代
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1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
最優秀2歳牡馬
2000年代
2010年代
2020年代
  • 1 2001年より馬齢表記法が数え年から満年齢に移行
    *2 1954-1971年は「啓衆社賞」、1972-1986年は「優駿賞」として実施
    *3 1986年は2頭同時受賞