テマセク・ホールディングス

Temasek Holdings

種類	ソブリン・ウェルス・ファンド
業種	投資
設立	1975年
本社	シンガポール
主要人物	Lim Boon Heng^[1] (chairman) Cheng Wai Keung (deputy chairman) Dilhan Pillay Sandrasegara^[1] (executive director & CEO)
運用資産	S$671 billion (2022)
総資産	S$403 billion (2022)
所有者	シンガポール政府
従業員数	900 (2022)^[2]
子会社	DBS銀行シンガポール航空キャピタランド ST Engineering SPグループ Singtel メディアコープ PSAインターナショナル Pavilion Energy Certis Group SMRT Corporation Surbana Jurong Vertex Holdings Alvogen STテレメディア Constellar Group Mandai Park Holdings ...他 ^[3]
ウェブサイト	temasek.com.sg

テマセク（英語：Temasek。旧名：Temasek Holdings）は、シンガポールの政府が所有する投資会社（ソブリン・ウェルス・ファンド）である。2012年3月の時点で380人の従業員がアジアを中心に1980億SGD運用している^[4] 。保有する株式は、金融、通信、メディア、テクノロジー、交通、運輸、不動産、エネルギー、資源など多岐にわたる。テマセク・ホールディングスは世界で最も高評価の投資会社のうちの1つであり、ムーディーズによる格付けは、Aaa、スタンダードアンドプアーズによる格付けはAAAである^[5]。

テマセクとは、シンガポール（Singapore）の古称。

シンガポール政府との繋がり

テマセクホールディングスの株式は全てシンガポール財務省が保有し、リー・シェンロン首相夫人であるホー・チンがCEOを務めている。テマセク自身はシンガポール航空やDBS銀行などシンガポールを代表する大企業や、国内の電気、ガスなどのインフラ企業、さらに国内の主要テレビ・ニュースチャンネルを運営するMedia Corpなど、政府系投資会社として国内に強い存在感を持っている。

拡大する対外投資

2003年以降、シンガポール国内の関連企業の再編により、テマセクは国内企業の株式を売却するなどして獲得した資金をもとに、対外投資を拡大している。その結果、02年の対外投資総額約50億SGDから、06年には約3倍の約150億SGDにまで増加した。 09年3月現在の地域別の投資事業ポートフォリオはシンガポール31%、国外69%で内訳は以下の通り。

31%:シンガポール
27%:北アジア（中国、台湾、日本、韓国）
9%:ASEAN
7%:南アジア（インド、パキスタン）
22%:OECD加盟国（日米欧ほか）
4%:ラテンアメリカ他

また、UBSやメリルリンチなど、サブプライムローン問題で疲弊した欧米の金融機関にも、多額の資本注入を行って、世界の金融市場で存在感を示す政府系投資ファンドの一つである(07年現在)。日本の、ソフトバンク系金融ITコングロマリット、SBIホールディングスと共同で子会社を設立し、アジアの金融機関を対象に投資活動を行うことを発表した。

主な投資先

2012年3月時点の主な投資先

金融・銀行業

通信・マスメディア

メディアコープ (100%)
シングテル (54%)
シン・コーポレーション・グループ (42%)
STテレメディア (100%)
バーティ・エアテル (5% as of 2010)
スタッツ・チップパック (84%)

交通・運輸・産業

不動産・生活

CapitaLand (40%)
メープルツリー・インベストメンツ (100%)
Olam International (16%)
Celltrion, Inc. (10%)
Li & Fung Limited (3%)
M+S Pte Ltd (40%)
Pulau Indah Ventures (50%)
SATS Ltd (43%)
Wildlife Reserves Singapore Pte Ltd (88%)

エネルギー・資源

モザイクカンパニー (5%)
Chesapeake Energy Corporation
Clean Energy Fuels Corp (0.49%)
FTS International (40%)
Inmet Mining Corporation (11%)
MEG Energy Corp (6%)
チャイナ・パワー

2006年のタイでのクーデターとの関係

2006年に発生したタイ軍事クーデターの原因の一つとなった、タクシン首相（当時）の家族が所有するシン・コーポレーションの株式を、テマセクホール・ディングスが購入した。この時、タクシン首相の息子が売却により得た収入に対して課税されなかったことなどから、タイ国民の間にタクシンに対する不信感が広まった。また、首相個人が所有する株式とは言え、国内企業を外国企業、しかも一部のタイ国民が対立感情を抱く中華系のシンガポールの企業に売却したことが、タイ国民の不信を招いた。

脚注

^ ^a ^b “Our Leadership - About Temasek”. Temasek Holdings. 2020年9月9日閲覧。
^ “Our OneTemasek Team - Institution”. Temasek Review 2021. 2023年2月6日閲覧。
^ “TEMASEK HOLDINGS (PRIVATE) LIMITED (197401143C) - Singapore Business Directory”. SGPBusiness.com. 2022年9月30日閲覧。
^ From our Chairman - Temasek Review 2012
^ Temasek Holdings

外部リンク

テマセク・ホールディングス（英語）
朱炎著，富士通総研経済研究所，研究レポートNo293，June 2007 「アジア企業の対日投資戦略と日本の誘致策」 (PDF)

表話編歴シンガポール政府
シンガポールの内閣
省	首相府情報通信省大臣文化・社会・青年省国防省教育省環境水資源省大臣財務省大臣外務省大臣保健省内務省大臣法務省大臣労働省国家開発省通商産業省交通省社会・家族開発省
法定機関	シンガポール科学技術研究庁シンガポール民間航空庁経済開発庁 JTCコーポレーション陸上交通庁メディア開発庁セントーサ・デベロップメント・コーポレーション都市再開発庁シンガポール金融管理局住宅開発庁
かつての法定機関	シンガポール国立大学南洋理工大学シンガポール・テレコミュニケーションズ
中央銀行	シンガポール金融管理局
ソブリン・ウエルス・ファンド	シンガポール政府投資公社テマセク・ホールディングス
シンガポールの政治