クスサン

クスサン
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: チョウ目(鱗翅目) Lepidoptera
: ヤママユガ科 Saturniidae
亜科 : ヤママユガ亜科 Saturniinae
: Saturnia
: クスサン S. japonica
学名
Saturnia japonica
(Moore, 1872)
和名
クスサン

クスサン(樟蚕/楠蚕、Caligula japonica)はチョウ目ヤママユガ科の一種。身近に生息する大型の蛾であり、幼虫、蛹に別名がある。

特徴

成虫は開張100mm以上、褐色の大きな翅をもつ。

幼虫はクリクヌギコナラサクラウメイチョウクスノキなど様々な樹木の葉を食べる。年1回の発生。卵で越冬し、幼虫は4-7月に出現する。幼虫は体長80mmにも及ぶ青白色の大型のケムシで、白色の長毛を生やしているためにシラガタロウと呼ばれる[1]。この長毛は寄生蜂に対する防御の役割があると考えられている。

7月前半頃に楕円形の固い網目の繭を作って蛹になり、9月から10月にかけて羽化する。は糸を寄り合わせた楕円形のものだが、壁面は網目状に穴が開いているので、スカシダワラ(透かし俵)と呼ばれる。

日本全土の他、中国台湾にも分布する。

亜種

  • クスサン屋久島以北亜種 S. j. japonica (Moore, 1872)
  • クスサン奄美以南亜種 S. j. ryukyuensis (Inoue, 1984)
  • クスサン台湾亜種 S. j. arisana (Shiraki, 1913)

近縁種

  • ヒメヤママユ北海道亜種 S. jonasii fallax Jordan, 1911
  • ヒメヤママユ本州以南亜種 S. jonasii jonasii (Butler, 1877)

ギャラリー

  • 終齢幼虫
    終齢幼虫
  • 繭
  • 幼虫大発生の様子
    幼虫大発生の様子

脚注

  1. ^ 刺さない毛虫3 クスサン/庭の刺す毛虫・刺さない毛虫 - 公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会

参考文献

  • 福田晴夫ほか 『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方 - 野山の宝石たち』 南方新社、2005年、ISBN 4-86124-057-3。
  • 森上信夫・林将之 『昆虫の食草・食樹ハンドブック』 文一総合出版、2007年、ISBN 978-4-8299-0026-0。

関連項目

ウィキメディア・コモンズには、クスサンに関連するメディアがあります。

外部リンク

  • Saturnia japonica クスサン(Digital Moths of Japan)